地のアート景観研究部会(所期の目的達成のため部会活動を終結した)

地のアート景観研究部会(旧:コージアム研究部会)(所期の目的達成のため部会活動を終結した)

  1. 名 称: 地のアート景観研究部会(旧:コージアム研究部会)
  2. 趣 旨: 本部会は、社会・地域・空間・場・組織にそれぞれ内在する固有の情報(=グランドコンテンツ)を掘り起こし、芸術活動を通じて社会との交流・交感において成立する環境芸術の研究を行うことをテーマに発足し、その後、土木・建設などの工事現場におけるアートを具体的な対象に、いくつかの実践的な試みを行ってきた。 今後もこの部会の趣旨は変わることなく、引き続き、社会・地域・景観・芸術といった研究テーマを基本に継続的な研究を行う。
  3. 部会長: 池村明生
  4. 幹 事 : 高須賀昌志/酒井 正/橋本 学
  5. 連絡先: 東海大学教養学部芸術学科デザイン学第1研究室(池村明生)
    0463-58-1211(内線3451)
  6. 活 動: 昨年度は、東日本大震災で被災した東北地域を対象に、2年半が経過した状況を現地調査を通じて調査研究したが、本年度も引き続き、社会状況により影響を受けた国内地域を対象とした景観調査を検討する。そのため具体的研究活動としては、部会員参加による現地調査を基本に、調査テーマを通じた議論整理を行うなかで研究報告を予定する。

■ 2013年度活動報告

  1. 活 動: 東日本大震災の被災地における記憶と継承の景観およびシンボル等の調査研究
  2. 期 間: 2013年9月1日(日)~3日(火)
  3. 内 容: 東北地方のみならず日本国内に大きなダメージを与え、2年半経った今も復興の過程にある東日本大震災の被災地を訪ね、一般工事のスケールをはるかに超える復興作業の現場を視察しながら、2011年3月11日に発生した東日本大震災の「記憶にとどめる景観およびシンボル等」を調査。そして報告にあたっては、現地訪問で得られた情報を整理しながら、環境芸術分野で研究を行う立場から被災地における課題と考察を試みた。
  4. 概 要:
    0901 仙台
    0902 石巻(語り部の案内にて海岸線を中心に視察)
    女川(海岸沿いを視察)
    0903 南三陸
    (志津川、清水浜などを視察、南三陸町観光協会関係者ヒアリング)
    気仙沼(海岸沿いを視察)
    陸前高田(海岸沿いを視察)
  5. 調査結果: 巡回した各地区では、調査目的に見合う様々な情報が収集できたが、訪問したすべての状況が『記憶と継承の景観およびシンボル等』と思えた。しかし今回は環境芸術分野で研究を行う立場からあえて整理を行い、以下6つのパタンを抽出することとした。
    パタン1 ありのままが残る実物大のアーカイブ
    報道でも多く紹介されている光景であり、「原形を残さない住宅」「まるごと横たわるビル」「陸に打ち上げられた巨大な船舶」「分断され落下した橋脚」など2年半経った今でも、多くの地区で見られた。しかし3年目に入り徐々にその姿は消えていくと思われる。

パタン2 なにもない平地と仮囲いで囲まれた作業現場
復興が進む大きな地区と比較し、わずかな入江から広がる小さな地区では住宅などは一切消え瓦礫などの作業場所として工事現場のフェンスで囲まれている。また陸前高田など、15mを超える津波で被災した地区は大きな平地となりトラックのみが往来する。

パタン3 アーティストやデザイナーの参加による存在の証
各地区のところどころで、アーティストやデザイナーが参加したと思われる取組みが見られる。フランス人JRによる市民参加のポートレートプロジェクトや、地域伝統文化である切り絵を活かした商店の気概を示す看板など、ユニークな表情で街に元気を与える。

パタン4 語り部や表示によるリアルな解説
記憶にとどめるために様々な解説が誕生している。語り部によるツアーや壊れた建造物の横に設置されたサイン看板、津波の高さを示す表示など、震災前後の写真を利用しながら、かつ言葉で解説し、平和な暮らしと被災時の状況をリアルに比較する。

パタン5 他地域からの市民参加応援プロジェクト
被災地を応援する目的で他地域から来た人々の思いがかたちとなって現れている。元住宅地であった通り沿いで鮮やかな花を咲かせる花壇や、首都圏も子どもたちが参加して制作した様々なアートを飾る光景が各地区に点在する。

パタン6 様々な商店が集積する仮設商店街の温もり
被災したことで誕生したプレハブづくりの仮設商店街は、地区ごとに活気を醸し出す。従来であれば散在していた各商店が一堂に集積することで、集まることの力強さや人間臭さが元気を与えている。被災した街にとって重要なオアシスである。

■ 活動実績
○ 大宮日進「大宮ほりだしものストリート」プロジェクト

制作風景1 制作風景2

制作風景3 制作風景4
完成!
→click(pdf)
→朝日新聞10月25日朝刊(pdf)

○ 菊川イメージアッププロジェクト活動報告
440mの下水道トンネル工事に合わせ出現する大きな防音建屋の壁面を、近隣の小学校の子どもたちと一緒にアート化するプロジェクト「菊川イメージアッププロジェクト」がスタートしました。

  • vol.8(2007.9.5)
    スミダンプロジェクト」作品が見事に完成!
  • vol.7(2007.7.18)
    菊川イメージアッププロジェクト(スミダンプロジェクト)弟4回(最終日)のワークショップを行ってきました!
  • vol.6(2007.7.11/13.)
    “土の中の生き物をつくろう!”
  • vol.5(2007.7.4/7.6)
    ベルビアンシートで人型を作ろう!
  • vol.4(2007.6.27/29)
    菊川イメージアッププロジェクト(スミダンプロジェクト)第1回ワークショップ開始!
  • vol.3(2007.6.18)
    菊川イメージアッププロジェクト(スミダンプロジェクト)の概要がまとまりました!
  • vol.2(2007.5.10)
    ワークショップ「スミダンをつくろう!」がほぼ決定!
  • vol.1(2007.3.22)
    プロジェクトを推進する埼玉大生全員で、墨田区中和小学校を訪問!