《主観的な経験にもとづく独特の質感/解体》 

《主観的な経験にもとづく独特の質感/解体》 "qualia/destruktion" 2015

制作コンセプト
触れることのできないイメージや時間の一端を映像機器を用い切り取り、質感を伴うような視覚表現を行う。
制作方法は文字通り、絵画や木材、絨毯、壁などと言った物質そのものを切り取ると同時に、その行為にまつわる時間も切り取っている。ある物体の一部を取り去り映像に置き換えることで、物質と映像、行為が一体となり、その物体に内在する「感触」を最大限に引き出すことを試みている。

主な経歴
1983年神奈川県生まれ。2009年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了、主な個展に2016年「重たい時間/見えない空気」タカシソメミヤギャラリー、2016年「山にあく風景」奥入瀬渓流館・十和田市現代美術館、など。「群馬青年ビエンナーレ」2012、2015入選、「取手アートプロジェクト2006」茨城、などの展覧会へ参加。

教育活動
八戸学院大学短期大学部 幼児保育学科 准教授
東京芸術大学教育研究助手、横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校 図画工作非常勤講師を経て現在に至る。

https://takumaikeda.com/

見えない時間

2018Takashi Somemiya Gallery

石膏像の顔左半分を切り取り石膏で埋め直す。その一部始終を撮影し、その映像をプロジェクターで対象物に投映させる。そのものにまつわる時間がそのものの上で再生される。
メディアプレイヤー、プロジェクター、板ガラス
13分35秒
2018
池田拓馬「表層の体積」展
タカシソメミやギャラリーにて

《作者不明のじかん/剥離》

2015Takashi Somemiya Gallery ほか

学校の倉庫に持ち帰られずしまわれていた油絵、その中央を切り取り(もしくは剥離剤で溶かし)、白い下地を再度塗り直す、その一部始終を撮影した映像がスクリーンとなった下地剤の上にプロジェクターで投映させる。映像と残された絵画の一部が同化し絵の中央に光が当てられたような状態となる。忘れ去られた絵画とその時間に、筆者が関与することで時間を再生しインスタレーションとして提示することを試みた映像作品。
撮影 松浦 歩、筆者