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会員活動

支部活動報告

2009年、新潟市では「水と土の芸術祭」を行います。  
長谷部 原(水と土の芸術祭実行委員会事務局/新潟市)

 「水と土」はどこにでもあるものかもしれませんが、新潟には、日本一の水量と延長を持つ信濃川と日本最大級の水量と清流度を持つ阿賀野川が運ぶ「水と土」と闘ってきた歴史があります。「芦沼」「地図にない湖」とも呼ばれた低地の田で、泥と格闘するように行われてきた農作業。一度雨が降れば行き場を失って溢れる水に対して、ある時は山をうがち、またある時は大地を削って放水路を造り、東洋一とまで呼ばれた排水機場を築くなど、努力の粋を尽くして闘ってきました。激しい「水と土」との闘い、その中でゆたかな暮らし文化と美しい田園景観を育んできた新潟は、まさに「水と土」を象徴する地。この新潟で、改めて「水と土」と人の活動を見つめることは、環境の危機が様々に伝えられるこの時代に、大きな示唆を与えてくれるものと思います。
「水と土の芸術祭」では、新潟の「水と土」と闘ってきた先人たちに敬意を表し、育まれてきた水と土の宝物を見つめなおし、次の時代に伝え、発信していくため、アートの力を活かしていきます。
市内各所の「水と土」の記憶が残る場に、ランド・アート作品を設置して市内を回遊するきっかけを創るとともに、新潟市美術館、新津美術館では、美術館の外とも関係づけながら、インスタレーション、美術品展示、そして「水と土」の様々な記憶の品をアーティスティックに再構成した展示などを行って、かつてないかたちで「水と土」に迫ります。また、市内の博物館や資料館等の歴史文化施設と連携して「水と土」の新潟の歴史を紹介し、さらに、舟運、伝統芸能、食など地域の様々な宝物に触れることができるプロジェクトも展開していきます。
開催時期は、2009年7月18日から12月27日まで。
新潟市美術企画監の北川フラム氏が、ディレクターを努めます。
現在は、招聘作家の決定に向けた諸作業や、公募作品を募集しています。
また、平成20年10月29日には、この芸術祭をさまざまに盛り上げる「市民サポーターズ会議」が発足しました。まずは「水と土」に関わる様々な写真や記憶の品などを集めて「水と土の全新潟誌」を創り上げるべく、取り組みが始まっています。
2009年新潟では、大地の芸術祭と併せて、水と土の宝物に出会うアート・フェスティバル「水と土の芸術祭」を、是非ご注目ください。
なお詳しい情報につきましては、当芸術祭のウエブサイト
http://www.city.niigata.jp/info/promo/jigyougaiyou/geijutsusai/index.html
をご覧ください。

かつて東洋一とうたわれた
栗ノ木排水機場の跡地
市民サポーターズ会議の様子
北陸支部の誕生に向けて  北陸支部 橋本 学 (新潟大学)

 この度、北陸地区支部が設置されました。日本海に面した福井、石川、富山、新潟では中央都市部とは、また違った食文化や、生活環境、自然環境が存在しています。昨年の福井の大会の地でも、「金津創作の森」「芦原温泉の環境構想」に見られたように、地域の特色を活かした環境プロジェクトが立ち上がろうといています。ある種、地域が中央から独立した様々な街造りが形成されようとしているのだと感じ取れます。
私が、研究拠点にしている新潟県でも、十日町市の「大地の芸術祭、越後妻有アートトリエンナーレ」を始めとして、地域での様々なアートプロジェクトが、街を形成する一つのコンテンツとして動き始めています。
その先駆けとなった東京都23区程の広さ、約762平方キロメートルの広大な地での芸術祭である「大地の芸術祭、越後妻有アートトリエンナーレ」の背景には、高度成長期、1967年をピークに人口の減少化が起き始め、最高で90万もの人々がこの地に暮らしていましたが、今現在約16万の人が生活している地域へと変化してきた所にあります。各集落を訪れてみると、大きな祭り事等がない限り人の賑わいといったものが見受けられません。お爺ちゃん、お婆ちゃんの姿を見かけることの方が圧倒的に多く、いわゆる、若年層の都市部への人口流出が特に多い地域なのです。そして、この現実を解決すべく対策として、新潟県では、地域活性化と称した河川や道路等の公共事業を重ねてゆく方法では無く、新しい時代を予感させる自己実現型のプロジェクト、いわゆる地域に眠っている資源を見つめ直し、磨きをかけて地域固有の魅力として広く発信するといった、質の高い人的交流を基に地域造りを行うという「アートネックレス構想」を、1997年に妻有地域を対象に立ち上げたのです。アートによる地域おこし、アートによる地域活性化です。それが「大地の芸術祭.越後妻有アートトリエンナーレ」であるのです。(もともとは新潟県から発案したプロジェクトではあるのですが、プロジェクトの運営および実施形態はアートディレクターの北川フラム氏が中心となって展開されているプロジェクトとなっています。)
このプロジェクトが繰り広げられている環境は、夏は高温多湿、冬は3mから4m程の雪が積もる地域独特な自然環境であり、また、日本で一番美味しいコシヒカリが収穫される地として、あるいは、信濃川の支流である渋海川流域に点在する美しい棚田の存在という自然のキャンバスが現存している地でもあります。その上、4?5千年前の縄文中期には日本で一番集落密度の高い地域であったことから、火焔土器が数多く出土し、文化的にも非常に繁栄した地域であるのです。その中で、地域の特色を利用し、地域が抱えている集落の高齢化問題や、自然内包された生活環境、子ども達への造形教育の支援、地域コミュニティーの再生と、様々な角度から地域と環境芸術が向き合い活動を繰り広げられてきました。2006年のプロジェクトで、県の当初計画の3回を終えましたが、地域の要望により、県の助成から外れた中で押し進めてゆくこととなり、現在、2009年の第4回目の開催が進められている状況です。
また、新潟市においても、同時期に地域の活性化事業としてのアートプロジェクト「水と土の芸術祭」がトリエンナーレ形式で、大地の芸術祭とは別組織で進められています。北陸地区支部として、この様な地域と連携したアートプロジェクトの情報を、これから発信してゆきたいと考えています。

■環境芸術学会 神戸ビエンナーレ見学会 参加者募集!!  近畿支部 藤本修三

「出合い」をテーマに、10月6日からスタートする神戸ビエンナーレ2007。
実行委員長の吉田泰巳氏をはじめ、多くの本学会会員がサポートスタッフやコンペ参加でご活躍なさっています。
今回、近畿支部が中心となり神戸ビエンナーレ見学会を企画いたしました。
神戸で初めてのビエンナーレをご堪能いただくとともに、会員相互の交流の機会にしたいと思っております。
皆様のご参加をお待ちしております。       

月 日:2007年10月20日(土)
場 所:見 学 神戸ビエンナーレ主会場(神戸メリケンパーク 神戸市中央区波止場町)
開会式 神戸タワーサイドホテル
〒650-0042 神戸市中央区波止場町6番1号 TEL.078-351-2151
JR・阪神「元町駅」より徒歩10分 市営地下鉄「みなと元町駅」より徒歩2分
交流会 ホテルオークラ神戸
〒650-8560 兵庫県神戸市中央区波止場町2番1号 TEL.078-333-0111
JR・阪神「元町」駅より徒歩10分 市営地下鉄「みなと元町」駅より徒歩5分
阪神高速道路「京橋」ランプより車で3分
参加費:交流会参加費8000円 (兵庫・神戸CS会との交流) ※見学のみの方は無料。
宿 泊:各自で手配していただきますよう、お願いいたします。
なお、ホテルオークラの宿泊は事務局でまとめて手配いたします。
ご希望者はご連絡ください。
内 容:10月20日(土) 
13:00 開会式 受付開始・資料配布(神戸タワーサイドホテル)
13:30 開会あいさつ 神戸ビエンナーレ実行委員長・吉田泰巳
神戸ビエンナーレの概要説明
14:00 会場へ移動
14:10 各自見学
16:00 見学ツアー終了・一旦解散
18:00 交流会 受付開始(ホテルオークラ神戸)
18:30 開会
20:00 閉会・解散

お申し込みは10月12日(金)までにe-mailもしくはFAXでご連絡下さい。

環境芸術学会・近畿支部会事務局 担当:谷口文保(携帯電話090-2382-6420)
〒651-2196 神戸市西区学園西町8-1-1 
神戸芸術工科大学 先端芸術学部 造形表現学科 谷口文保研究室
Tel:078-794-2164 Fax:078-794-2119 e-mail:f-taniguchi@kobe-du.ac.jp

■京都にて近畿支部会を開催  谷口文保(近畿支部)

嵯峨野の深く静かな竹林を抜けると見事な庭園にたどり着いた。眼下に広がる京都市街。3月14日、京都にて開催された近畿支部会は名優大河内傳次郎の山荘見学でスタートした。
阪急嵐山駅に集合。少し肌寒い。渡月橋をわたって昼食。自己紹介や近況報告など、打ち解けた雰囲気の中で名物にしんそばに舌鼓。その後、大河内山荘へ。よく手入れの行き届いた庭は散策する者を思索に導くようだ。歴史や景観、植物や建物…9名の参加者から飛び出す話題は幅広く、期せずして知的刺激にあふれた見学会となった。
見学会を終えると、街中を抜けて京都嵯峨芸術大学を目指した。川沿いに大学施設「有響館(うきょうかん)」が見えた。新築なのに当たり前のように風景と調和している姿。設計者である大森正夫会員の景観への思いやりと工夫を強く感じた。
会議は藤本修三副会長の進行で、支部の運営や活動について意見交換していくものとなった。支部会の定期的開催、会報の発行や展覧会の実施など、活動への期待や熱意のこもった提案が多数発表された。そうした中、吉田泰巳監事から「活動活性化には支部予算が必要なのではないか」という意見が出て、笹谷晃生会員からの「地域環境アートワークショップ研究部会」設立案とともに理事会に提案することとなった。最後に全員が今後も支部会員間の交流を促進していくことで一致。14名による1時間半の会議は大変、有意義なものとなった。
芸術、京都、環境、文化…。話題の尽きない懇親会は夜遅くまで続いた。窓から見える渡月橋は暗闇のなか、シルエットだけの姿となり、静かな水音だけが聞こえてくる。「京都そのものが環境芸術で
ある」誰かが言った…ような気がした。

大河内傳次郎の山荘
京都嵯峨芸術大学 有響館