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活動報告

環境芸術学会第3回大会
「環境と芸術の出会い」 〜くにうみの地より〜 報告
2002年10月25日〜27日
於:淡路夢舞台国際会議場
淡路景観園芸学校 他
 
 
去る10月25日から27日、淡路島において、環境芸術学会第3回大会が東京以外の会場では初めて開催された。大会事務局を運営された関西地区の会員、ボランティアの神戸芸術工科大学生の方々の尽力により、内容の濃い、充実した大会であった。

10月25日(金曜日) 兵庫県立美術館 (神戸市)

□エクスカーション

エクスカーション会場、兵庫県立美術館。10月25日(土) 15:00 同美術館チケット売場前に集合。伊藤会長以下15名が参加いたしました。
この美術館は阪神・淡路大震災復興のシンボルとして、従来の県立美術館を継承発展させたものです。館長木村重信氏の談話「こころの復興、これは単に文化の復興を象徴するものでなく、大震災で傷ついた人の心癒し鼓舞する施設である。1960年代衰退したニューヨークを再生したニューヨーク・ルネッサンスの中核になり、美術・音楽・演劇の起爆剤となったリンカーンセンターを構想の基とする。」
さて、当日はゴッホ展の最中、この企画展、大変な人気で会場大混乱状態、しかも集合指定キップ売場は当日別当2箇所、我が会員をセミナー室に案内する係りは吉田と上野、参加方々共々行ったり来たりの大汗しきり、あらためて安藤忠雄先生の設計思想「導線の混乱を?」が身に迫った次第。
副館長・主任研究員のご説明約2時間「本館は今年4月会館ですが入場者は既に80万人を越えました」
環境芸術学会第.回の1本目はまずまずの成果をあげて2本目の翌日につなげました。

10月26日(土曜日) 淡路夢舞台国際会議場・一宮町

□大会受付・施設自由見学 淡路夢舞台国際会議場


□第10回世界環境芸術会議“環境造形コンクール”展覧会見学 一宮町/パルシェ

26日午後3時から津名郡一宮町の「パルシェ」にて「第10回世界環境芸術会議 環境造形コンクール展覧会」を見学した。
会場に到着すると、コスモス畑にシンポジウムゲストパネラーの新宮晋氏の作品がゆったりと風に舞っていた。会場には屋内外に21作家の作品が展示されていた。本学会員の出品者は石原薫氏、岡部俊彦氏、國安孝昌氏、笹谷晃生氏、柴田美千里氏、谷口文保氏、吉本義人氏の7名であった。また、屋内には第1回からのシンポジウムやワークショップを紹介するパネル展示もあり、これからの地域社会と環境芸術の発展的関係を考える上でたいへん参考になるものであった。授賞式・オープニングパーティでは、世界環境芸術会議運営委員長である上田弘一宮町長が、10年余の取り組みを振り返りつつ「山口勝弘先生への感謝とご体調回復への願い」をお話されていたのが印象的であった。

新宮氏作品 國安氏作品
 
笹谷氏作品
□総会 17:30~18:30 淡路夢舞台国際会議場/301号会議室

□懇親会 19:00~ レセプションホール・405号会議室

夢舞台国際会議場、ドーム型天井のレセプションホールでの立食パーティーは、淡路島ならではの、たまねぎ、瀬戸内の魚に淡路牛などの食材による料理と飲み物、名物の「鳴門金時芋」「ちょぼ汁」「淡路うどん」には舌鼓をうってしまった。宴なかばに兵庫県の井戸知事が祝いに駆けつけてくださり余興のごとくの挨拶をたまわり、来賓の方々をまじえ多くの新メンバーとの交流を深めた。
4階の二次会会場に移動すると時空が変わった。瓦屋根回廊のある円形屋上ホールには、曼荼羅世界を「いけばな」で表現した吉田泰巳の作品があった。瓦の屋根越し、雲間から見え隠れする月といけばなの配合は、忘れかけていた自然に対する畏敬の念をよみがえらせてくれた。酒宴会場となった会議室は、2002年春に光州ビエンナーレに参加した吉田泰巳の「いけばな」展のドキュメントが上映され、多くのメンバーと伊藤新会長にソン夫妻を交えての話題はつきず、時間を忘れての談義がまじわり弾んだ。

伊藤新会長
10月27日(日曜日) 淡路景観園芸学校

口頭発表 多目的ホール

大会3日目の最終日は会場を兵庫県立淡路景観園芸学校に移し、同校多目的ホールにおいて3件5人による口頭発表が行われた。
はじめに大森正夫氏(京都嵯峨芸術大学)から、「名所図会の風景?銀閣寺庭園における桜の意味?」が発表。現存する名勝庭園の多くは経年変化によって創建当時の姿をとどめていないが、本発表では銀閣寺庭園をとりあげ、「都名所図会」をもとに3DCGで江戸中期再建当時の庭園原形をリアルに再現した風景が紹介された。視点移動を組み込んだ風景シミュレーションの労作は会場の注目を集めた。
つぎに氏(帝京平成大学)が「スウェーデンの文化政策と環境造形」について豊富なスライド画像を用いて発表。スウェーデンにおける環境造形の1935年から戦後にわたる歴史的状況、芸術文化振興・助成に関わる政策とアーティスト達の活動、パブリックアートとして現代に受け継がれているその成果について、氏の作品を含めた多くの具体例を示しながら紹介され、今後の日本の文化政策のあり方についても示唆された。
最後に「環境芸術教育としての《見立て発想法》」と題して村上直之氏(神戸女学院大学)が(T)「オリジナリティ神話からの解放」、谷内眞之助氏(神戸芸術工科大学)が(U)「わが国の伝統的発想法における創造性」、谷貞夫氏(神戸芸術工科大学)が(V)「知の循環・見立てづくし」を合同発表。これまで日本人の伝統的思考法あるいは創造原理であると認識されながら、教育プログラムとして体系化されることのなかった「見立て発想」についてさまざまな分野の事例をデジタル・アーカイブ化したものを大画面に提示しながら、この発想技法が来るべき循環型社会における創造活動にいかに有効であるかが論じられた。まず村上氏はこの教育プログラム開発の目的と経緯を述べられ、つぎに谷内氏から「見立て発想法」の基本的技法についてそれぞれの事例が紹介され、最後に谷氏は「見立て発想」がいかに連綿と知の連鎖・循環を促して新たな創造を生みだしてきたかの系譜を示された。以上3件とも発表内容が充実しており、時間の逼迫にもかかわらず会場との活発な質疑応答がなされ、それぞれ興味を引きつける口頭発表となった。

□スライドショー 展示ロビー

第3回大会においても、会員作品紹介のためのスライドショーが行われた。参加されたのは次の方々である。(敬称略)
相澤孝司、池田政治、小作志野、北野正治、笹谷晃生、高澤圭一、谷口文保、筒井知徳、柳楽節子、戸矢崎満男、藤本修三、領家裕隆。一人3点の作品写真で、一巡約5分のスライドショーが展示会場でエンドレスに流された。 スライドショー (PowerPoint 8.15MB)

□作品発表・パネル発表 展示ロビー

展示ホールでは14名の作品とパネルが展示され、園芸学校を訪れる一般の方々にも鑑賞された。第2回に比べ発表者の数は少なかったが、同時にグランドコンテンツアート研究部会によるアトリウムアート展(2002年1月)のパネル展示、東京芸術大学の環境系研究室による「空間・時間23人展」、賛助会員主催で会員の数名が参加した「W+ALL」展(2002年7月)からの抜粋展示などがあり、会員の様々な活動の報告の場になったことは意義があった。